胡蝶 (源氏物語) (Kocho (The Tale of Genji))

胡蝶(こちょう)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。
第24帖。
巻名は紫の上と秋好中宮が贈答した和歌「花ぞののこてふをさへや下草に秋まつむしはうとく見るらむ」及び「こてふにもさそはれなまし心にありて八重山吹をへだてざれせば」に因む。

あらすじ
光源氏36歳の春から夏の話。

3月20日頃、源氏は春の町で船楽(ふながく)を催し、秋の町からも秋好中宮方の女房たちを招いた。
夜も引き続いて管弦や舞が行われ、集まった公卿や親王らも加わった。
中でも蛍兵部卿宮(源氏の弟)は玉鬘 (源氏物語)に求婚する一人で、源氏にぜひにも姫君をと熱心に請うのだった。

翌日、秋の町で中宮による季の御読経が催され、船楽に訪れた公卿たちも引き続いて参列した。
紫の上は美々しく装った童たちに持たせた供養の花を贈り、中宮と和歌を贈答した。

夏になり、玉鬘の下へ兵部卿宮、髭黒右大将、柏木 (源氏物語)らから次々と求婚の文が寄せられた。
それらの品定めをしつつ、いつか玉鬘への思慕を押さえがたくなった源氏は、ある夕暮れにとうとう想いを打ち明け側に添い臥してしまう。
源氏の自制でそれ以上の行為はなかったものの、世慣れぬ玉鬘は養父からの思わぬ懸想に困惑するばかりだった。

[English Translation]